ここでは住宅全般の中での団地の位置づけと、住棟配置について触れていきます。  


いろいろな住宅のかたち

 私の場合、「団地」と聞いて真っ先に思い浮かべるのは、林立する高層住宅群!というイメージなのですが、「団地族」の印象も強いことから同じような印象をもってらっしゃる方も多いのではないでしょうか。では実際団地とは一体どういうカテゴリーの住宅なのか?を考察してみます。
 住宅を大きく分類すると、「一戸建て住宅」「長屋建て住宅」「共同住宅」に分けられます。これは国勢調整で丸つける項目があるのでおなじみですね。
一戸建住宅
説明するまでもないでしょう。誰しもが「いつかは。。」と思う、一戸建て!
長屋建住宅
水平方向に複数の住宅が連続している形式で、日本においては歴史ある住宅です。下町あたりではよく見られますね。テラスハウスやタウンハウスと言われるものもこのカテゴリーに含まれます。
共同住宅
水平・垂直方向に住宅が連続している形式で、原則として各階各戸に異なる世帯が 居住しています。階段、廊下、エレベータ等、共用の部分があるのが特徴です。
では集合住宅と言われるものは、どういったものでしょうか?
 上記の3タイプのうち、一般的には長屋建てと共同住宅が集合住宅とされますが、複数の一戸建て住宅が計画的に配置されている場合も集合住宅と言われるようです。  
 また共同住宅についても計画的に配置される場合があり、それがまさに当サイトで扱っている団地(住宅団地)であります。そして規模の大きい住宅団地はニュータウンと呼ばれます。  
 

以上の分類は概念的なもので、実際、旅の途中で「○○団地」と書いてある看板をみかけて、いざ訪ねてみると上記に挙げた一戸建ての住宅群だったり、またこれが新規分譲の時、「○○ニュータウン」とか銘うってあったりと、結構呼称について はあいまいなようです。また団地と言っても、工場群である工業団地なんてのもありますから、ここでは「住宅団地」としておきましょうか。  

集合住宅の分類

 次は住宅の中から集合住宅の分類についてです。 集合住宅はその階数によっておおまかですが、以下のように分類されます。
低層集合住宅
3階建程度まで住宅を低層集合住宅と呼びます。これは平屋建ても含まれます。 前記の一戸建て住宅が計画的に配置されているというのは、これですね。
中層集合住宅
4〜5階建の住宅です。昭和30年代、高度経済成長期に「団地族」という言葉と ともに華々しく登場した団地はほとんどこのタイプです。4〜5階までというのは エレベータなしで階段のみでアクセスできる範囲ということですが、最近の住宅の バリアフリー化によって、中層集合住宅にもエレベータ付きのものも増えているようです。
高層集合住宅
基本的に6階以上エレベータ付きのものを言います。昭和40年代に入ってから普及し始めたタイプです。20〜30階以上のタイプを超高層 集合住宅と呼ぶ場合もあるようです。

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