団地の供給主体

 住宅団地は公的機関から供給されるものと、民間から供給されるものとがあります。民間のものはマンション等が実質的には団地形態をとっているものや、企業の社宅・寮のようなタイプになります。
公的機関から供給される住宅は以下に分類されます。

公団住宅
1955年に発足した日本住宅公団により供給される住宅。一般的には賃貸のものを指し、中堅所得者層向け。何度かの改組を経て、現在は独立行政法人都市再生機構となるが、長年の慣習により公団住宅と呼ばれることが多い。それ以前に存在した同潤会、住宅営団は同じ国の外郭団体ではあるが、直接関係はない。

公社住宅
地方自治体の外郭団体として、地方住宅供給公社法に基づき設立された住宅供給公社により供給される住宅。賃貸・分譲があり中堅所得者層向け。このサイトで扱っている住宅公社・住宅協会物件は住宅供給公社の前身。

公営住宅
公営住宅法に基づき地方自治体により供給される自治体直営の市営・県営住宅。低所得者層向けで、公社等が管理している場合が多い。

この他、公務員宿舎等は厚生年金住宅とも呼ばれることもあり、また住宅金融公庫(現住宅金融支援機構)による公庫住宅も存在します。


南面平行配置

 次は団地の配置計画の話を進めていきましょう。 団地の並び方はランダムに並んでいるように見えて、いろいろ工夫がなされています。 1953年に建設省は「住宅建設要覧」という住宅の配置計画や整備目標についてのガイドラインを示したのですが、これに住宅団地も含まれていて、団地の住棟間隔に「冬至の4時間日照」という基準を設けました。
 これは1年で一番日の短い冬至に各住棟が1日最低4時間の日照を受けられるようにするというもので、これによって住棟の向きは南向きに、隣棟間隔は同じ条件にするためにすべて一定という、いわゆる南面平行配置の形ができあがったのでした。
 しかし板状の住棟がすべて同じ向きに、同じ間隔で並んでいる姿は景観的に無機質で味気ないと建設当初から言われていて、部分的に向きを変えている住棟や、くの字に折れ曲がった住棟、またポイントハウス等を混ぜて景観的なアクセントをつけるような試みがなされています。



赤羽台団地
基本的に南面平行配置だが、所々に直交配置やポイントハウスを混ぜてアクセントをつけている。








ポイントハウス
南面配置の単調さを緩和するため、団地内の中心部や外周部等に配置される。




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