団地というと、一概に箱形の建物が立ち並んでいるだけのようなイメージがありますが、古い団地を巡っていると様々なタイプの 住棟があることに気づきます。ここでは住棟タイプが百花繚乱時代であった昭和30年代〜40年代にかけての公団住宅の住棟を紹介していきます。


標準設計符号

 標準設計の資料、もしくは住棟の銘板によく右図のような符号がよく見受けられます。一番右側の項目はお馴染みの間取り構成ですが、団地巡りの際にチェックしておきたいのが、真ん中の項目。 これは住棟タイプを表していて、基本的なものは


N: フラット型2戸共用北入り階段式   S: フラット型2戸共用南入り階段式
TN: 2階建てテラスハウス北入り型    TS: 2階建てテラスハウス南入り型
P: ポイントハウス型
C: フラット型片側廊下型


 NSの前の数字は階数を表します。ポイントハウスは星形、ボックス型両方を含みます。 以上が代表的なものですが、支所、時代によって様々なバリエーションがあるようです。 上図の例では、1959年度の設計で、4階建てフラット型中層住棟タイプで、間取りは2つの就寝室とダイニングキッチンを 備えているというのがわかります。

フラット型

 それでは個別の住棟タイプを見ていきましょう。まずは代表的なフラット型。羊羹型の住棟で団地と言えば、まずこの形を思い浮かべる人も多いでしょう。公団のみならず、戦後建設された公営住宅の大部分はこのタイプです。
 階数は昭和30年代においては3〜5階の中層でしたが、土地を高度利用するため昭和40年度の追加事業として建設予算が認可されてからは、以降次第に高層住棟が多くなっていきます。
 一見同じように見えるこの羊羹型も、様々なバリエーションがあります。特に赤羽台団地などは一棟一棟が異なるデザインといっていいぐらいです。代表的なものを紹介します。


階段室型アクセス
N型(北入り型) 階段が住棟面に垂直なタイプ。
踊り場の張り出しがあるタイプとないタイプがあります。寒冷地においては、踊り場の張り出しがすべて外壁で覆われて窓が設けられているタイプが多く見受けられます。
N型(北入り型) 階段が住棟面に平行なタイプ。
S型(南入り型)
NS型(南北両入り型) 住棟の連結部に階段室が設けられていて、 傾斜地など住棟の高さに変化をつける場合によく使われています。 階段室連結型とも言われます。

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